
初代様
あんにゃろう!のんきに食レポなんざ書いてやがる!
困ったなぁ……妖精ともなるとやっぱり一筋縄じゃ捕まえられないね……
あ、社長。ほげ子。お帰りなさい!
……やっぱりパソクルは捕まえられなかった?
おう、どーにもこーにもな。目撃証言はいっぱいあるんだけど……
どういうワケだか本人まで辿り着かないんだ。
魔法を使って足取りをかく乱してるみたいで……
ずいぶん大変みたいだね。
でもどうしよう、いまウチの会社マスコットが不在になっちゃってるけど。
ああ、そこは心配しないで大丈夫だよ。当面の間の応援は手配してあるから。
そろそろ来るんじゃないかな。
応援?一体誰に──
えっ!?
──少し見ぬ間に、大人っぽくなられましたな。
ちょっ!?ちょっと待って社長!?この人って
はーい、というワケで緊急シフトで入ってもらいました。
初代パソクルさんでーす。
お、しげ子と社長は顔見知りなのか?
ほげ子だ。嫌いなモノはぬるいビールとマズイ油。よろしくな!
おやおや、これはこれはご丁寧に。
私、不肖ながら初代のパソクルを拝命しておりました妖精です。
お気軽に”初代”とでもお呼び下さい。
え、ちょっと待って。何でフツーに馴染んでんの?
色々無いの?タッチが違うとか、初代って何だとか。
そんな細かいトコ突っ込んでもしょうがねーだろ。
とりあえずあの橙まんじゅう捕まえるまでは力借りないとならねーんだから。
ご隠居していたところを急に呼び戻してすみません。
先に話しました通りになりますので、よろしくお願いします。
はてはて、時代に即さぬロートルですがいかんせん身内の不肖。
微力ながらお力添えさせて頂きましょう。
わー、反論する間もなく話がすすんでいくよー。
さて、じゃあ皆に紹介させて頂きます。
ここでというのも何なのでどうぞ中へ。
現代を担う者たちというわけですか。
ふふ、急場で呼ばれて不謹慎ですが楽しくなってきてしまいました。
おーい、ボーっとしてんじゃねーよテンチョー。
置いてくぜー。
あぁ、うん。いま行くね。
……
……しげ子さん?いや、しげ子ちゃん?
……!!え!?なに!?呼んだ!?
おひさしぶりですね。あくまで臨時ですが……「ただいま」
あ……うん……
「おかえり、パソクル」
2015年7月19日 5:00 PM